2022年12月18日、京都新聞丹波版に氷蔵処理に関する記事が記載されました。
述べ30時間以上も取材を受けたのですが、氷蔵処理(氷蔵庫で冷やす方法)と氷温処理(恒温高湿庫で冷やす方法)が併記されてしまいました。
氷蔵処理でないと殺虫効果が得られる-2℃での貯蔵は困難です。また、冷気をかけて冷やす恒温高湿庫では栗が乾燥しますので、記事の写真のように、氷温処理では栗をビニール袋で覆う必要があります。栗をビニール袋で覆うと、病気の栗が混じっていた場合、その病気が周辺の健全果に拡大することがあります。それを避けるために氷蔵処理を開発したのです。氷蔵庫は加湿器がないので電気代も安く、庫内のどこも同じ温度になるので、1坪タイプでも700kg以上の栗が貯蔵できます。一方、恒温高湿庫は庫内温度が一定にならないため、1坪タイプだと最大でも350kgの栗くらいしか貯蔵できません。結局、容量の大きな装置が必要となり、設置費が高くなるだけでなく、スペースを奪われます。
京都新聞記者は「氷蔵庫のメリット、毒ガスくん蒸のデメリットを伝えたい」と言って、熱心に取材していたのです。記者は、毒ガスくん蒸が続けられていることに疑問を感じ、毒ガスくん蒸している栗の量を尋ねました。京都府がブランド指定しているガスくん蒸した栗は、2021年度は3.8トンでした。氷蔵処理した栗は10トン以上になっているのです。消費者や栗栽培者の事を考えた場合、氷蔵処理した栗をブランド指定するのは当然です。ガスくん蒸した栗をブランド指定することは、京都府全体の農作物の信用を落とすことになるでしょう。記者が、このことを知って記事を書いても、マスコミはスポンサーで運営されています。デスクの判断で、悶着を予防するため、このような記事になったのでしょう。事実を報道するのが難しい社会になっています。必要な情報が必要な方には伝わらない社会になっているのです。正しい情報を獲得するためには、京都丹波栗の会のHPの記事を常にチェックしてください。