栗の不作が続いています。猛暑が不作の原因だと考えられています。
しかし、他の要因も疑ってみる必要があります。
「栗の花が二度咲くようになり、二度目の花が実になった」「毬が大きくなってから落ちた」「冷やして保存していた栗がダメになった」
こうした情報をいただくようになりました。
冷やしていたのにダメになった栗は、カメムシに吸汁された白い斑点が見つかったそうです。
果樹や稲ではカメムシの被害が深刻化しています。栗の実をカメムシが加害することも知られています。
カメムシが増えている中で、梅などの果樹が不作なため、しかたなく栗の毬を吸汁しているのかもしれません。
カメムシに吸汁され毬が落ちているのかもしれません。
どんなカメムシが栗園に飛来しているのかを確認するため、5月19日、捕獲調査を開始しました。
サンケイ式バケツトラップにチャバネアオカメムシのフェロモン剤を設置し、一週間毎に捕獲虫を回収しています。
和知と夜久野で、合計10基のトラップで調査をしています。
チャバネアオカメムシは、6月上旬までに500匹以上が捕獲されました。クサギカメムシも十数匹獲れました。
驚いたことにキマダラカメムシも数匹獲れました。この種は台湾から侵入し、現在、急激に分布を拡大させています。
今後、こうしたカメムシが栗に加害する可能性は否定できません。
防我灯から5m、25m、50mの距離にトラップを設置しました。
(手のひらに載せているのがフェロモン剤で、針金のような資材です)
防我灯の近くほど捕獲数が少なくなる傾向は認められませんでした。
チャバネアオカメムシが大量に捕獲さたのは、フェロモンが誘引したのでしょう。
順番に、キマダラカメムシ、チャバネアオカメムシ、クサギカメムシ、ノコギリヒラタカメムシ、マルカメムシ、ブチヒメヘリカメムシです。